
野村 雅道(のむら まさみち)氏
FX湘南投資グループ代表
専修大学講師、中京大学講師
1979年東京大学教養学部卒。
1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。貿易金融業務、預金、債券、営業業務に従事。
1982年ニューヨーク支店勤務を経て1985年本店為替資金部にてチーフディーラーとして外国為替業務に従事。
1987年ファーストシカゴ銀行へ転出し、その後も米欧の主要銀行にて外国為替部長等を歴任。
現在も国際経済コメンテイターとしてテレビ・新聞などで精力的に活動を行っている。
著書に『我々は外資に負けなかった』、『働かずに毎年1000万円稼げる私のFX超活用術』など多数。
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6/30(木)「先見の明は役に立つか」 2011年06月30日 11:20
本日を持ちまして「為替レポート湘南旋風」は終了です。
長い間ご愛読頂きましてありがとうございました。
6/30(木)「先見の明は役に立つか」
2011年6月30(木)―2011年7月1日(水)
総括「先見の明は役に立つか」
需給「6月上旬貿易統計」
テクニカル「小刻みの難しさ」
当局、円無常「ついに借金1000兆円」
ID為替「2000年から変らぬ思い」
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
横浜湘南便り「霧笛」
ドル78-83、ユーロ円 113-118
日経インデックス6月29日東京引け前回6月24日からの変化 円122.2弱し、ドル96.1同、ユーロ96.9強し、ドルインデックス IN NYBOT74.69弱し、CRB338.67強し、CRUDEOIL94.77強し、金1510.40強し、DOW12261.42強し、日経平均ドルベ-ス東京引け120.86強し、IMM円投機筋6月21日、円32594(前週比+7826、ユーロ29771(前週比-20123)
1、予定
(今週の予定)
27(月)米 個人支出、個人所得、PCEデフレーター 、ダラス連銀製造業活動
28(火)日 商業販売統計速報、香港 貿易収支、英 経常収支、GDP確報、S&P/ケース・シラー住宅価格指数、消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数、独 消費者物価指数速報
29(水)日 鉱工業生産速報、6月上旬貿易統計 、仏 GDP改定値、英 消費者信用残高、マネーサプライM4、ユーロ圏 消費者信頼感確報、スイス KOF先行指数、加 消費者物価指数、米 中古住宅販売成約
30(木)日 住宅着工戸数、建設工事受注、自動車生産・輸出実績、外国為替平衡操作、NZ 住宅建設許可、貿易収支、英 GFK消費者信頼感調査、仏 生産者物価指数、独 失業者数、失業率、ユーロ圏 マネーサプライM3、消費者物価指数速報、南ア 生産者物価指数、貿易収支、加 GDP、米 新規失業保険申請件数、シカゴ購買部協会景気指数
1(金)日 失業率、有効求人倍率、全国消費者物価指数、東京消費者物価指数、短観、家計調査、中国 製造業PMI、スイス SVME購買部協会指数、ユーロ圏 製造業PMI確報値、失業率、英 製造業PMI、 米 ミシガン大学消費者信頼感指数確報、建設支出、ISM製造業景況感指数
(来週の予定)
4(月)米国独立記念日、豪 住宅建設許可件数、小売売上高、スイス 小売売上高、英 PMI建設業、香港 小売売上高、ユーロ圏 生産者物価指数、加 鉱工業製品価格
5(火)豪 貿易収支、RBAキャッシュターゲット、英 PMIサービス業、ユーロ圏 小売売上高、米 製造業受注指数
6(水)日 景気動向指数・速報、独 製造業受注、加 住宅建設許可、米 ISM非製造業景況指数
7(木)日 機械受注、NZ 第1四半期GDP、豪 新規雇用者数、失業率、仏 貿易収支、スイス 消費者物価指数、英 鉱工業生産、英製造業生産高、独 鉱工業生産、BOE政策金利発表、欧州中銀金融政策発表、米 ADP全国雇用者数、加 新築住宅価格指数、米 新規失業保険申請件数、加 Ivey購買部協会指数
8(金)日 国際収支、景気ウォッチャー調査、スイス 失業率、独 経常収支、貿易収支、英 生産者物価指数、加 失業率、雇用ネット変化、米 非農業部門雇用者数、失業率、米 卸売在庫、消費者信用残高
2.総括「先見の明は役に立つか」
ギリシア問題で大騒ぎであったここ数カ月であった。
さてこここまでギリシア問題が深刻になることが1年前から予測していた識者がいたとする。
どういう行動をとるだろうか。
ギリシア株を売る、ギリシア債券を売る、通貨ユーロを売るなどを考えるだろう。
前二者は実際株が下がり、債券価格が下落して大儲けだろうが、通貨ユーロを売っていると昨年6月の1.18から1.49まで踏み上げられる。
現在もここ1年の高値圏にある。
「先見の明」どころかTVのギリシア悲惨報道という「直近の明」でユーロを「売った人も上手くいかなかったかもしれない。
また1990年頃の日本でその後の日本の低迷を予測しギリシアユー同様に日本株を売り、日本国債を買い(景気低迷で、ギリシアのような流動性問題はないから)、円を売るとまた為替だけ損をしてしまう。
ギリシアも日本も将来の破たんを正しく予測しても通貨も売ってしまうと損をする。
破綻する国の通貨は買いという支離滅裂な行動をしなければ通貨で儲けることは出来なくなる(ただ円は米ドル以外では弱くなっている)。
これからも見ても、素晴らしく優秀な人が的確な景気見通しを打ち立てても通貨まで予測するのは難しい。
通貨は景気の見通しと資金の流入が異なるものだからだろう。
また株や債券は相対するものがお金であるのですべての株、債券が同じ方向に動くこともあるが、通貨は他の通貨を相対とするのですべてが同じ方向に動くことはない。
日本がダメでももっとダメな米国がいれば円高となる。
通貨はやはり景気よりもお金の流れを掴む(需給)ことが重要だろう。
日本のすべての為替取引が集中する一つの銀行があればばそれは可能だが、実際はそうではないので、ある銀行の需給から全体を類推したり、それもかなわぬ時は、絶対的な正確さはないが国際収支表などを参考にするしかない(ただデイトレには役立たない)。
次善の策として報道ではどうなろうと、センチメントがどうであろうと、テクニカルも参考にすべきだろう。
ギリシア破綻一色のここ1年でも月足で陰線は3回だけだ。
トレンドラインも上昇であった。
このあたりが為替の面白いところである。株や金利ほど素直でない。
ひねくれる必要はないが、出来るだけ需給に素直になり、センチメントに疑いを持ってやっていきたい。
ギリシア破綻でユーロ買いは度胸はいった。
頭脳明晰で順張りで素直ないわゆる「良い人」は為替には向いていないかもしれない。
ただ銀行や証券会社の収益では為替より素直な取り引きが出来る株・債券部門の収益が大きい。
さて今後はギリシアを少し忘れ、ECBの利上げ観測や日銀短観などが焦点となる。
いやQE2終了の米国の債務問題も注目だがあくまでお金の流れはどうなるかをテクニカルを踏まえ考えていきたい。
来週は米国の雇用統計もある。
中国は温首相が年末までのインフレ抑制発言を行ったが昨日は再び利上げ観測がでて中国株を押し下げた。
南アのインフレ動向、豪の来週の指標ラッシュ、NZの1QGDPも今後の焦点だ。
3.需給「6月上旬貿易統計」
財務省が発表した6月上旬貿易統計では貿易赤字で11654億円となった(前年同期は509億円の黒字)。
貿易統計によると、輸入は前年同期比10.2%増の2兆639億円。
輸出は同1.3%減の1兆8985億円。4月、5月は輸出が10%以上減少していたので、これが輸出増加への兆しとなるか注目したい。
4.テクニカル「小刻みの難しさ」
ユーロはともかくドル円などで相場が膠着してくると「小刻みにやる」ことが重要だが、小刻みに利食うのはそれほど難しくないが、小幅の損失でとどめることは難しい。
自分で作ったポジションはいとおしく損切るのが遅れがちだが、大きな損をすると、小刻みな益の積み重ねでやっているだけに回復に時間がかかる。
利食いも小幅なら損切りも小幅で抑えるべきだろう。
5.円無常、当局「ついに借金1000兆円」
財務省の09年度の「国の財務書類」では発行済みの国債や退職給付引当金を含めた国の負債合計は10年3月末で1019兆円となり、前年同期から36兆円増加し、初めて1000兆円を超えた。
国債の増発が最大の要因。
有価証券や貸付金のほか、道路や河川も含めた国の資産合計は117兆円減の647兆円で、371兆円の債務超過となった。
最近元官僚が書いた「天下り容認」の内容の本を読んだが、その理由として民間の大手も子会社を数多く作り定年退職者を吸収しているではないか、官僚もやっていいだろうということであった。
民間は自助努力だが天下りは税金使用だ。
これでは国の債務は2000兆円へ向かうのだろう。
6.ID為替「2000年から変らぬ思い」
2000年頃には円と米ドルが弱くなるリポートを書いていた。
理由はユーロ誕生による米国の衰退、中国の市場主義経済参入で日本の衰退ということだ。
それからドル円は円高になったので違うじゃないかという人もいるが円の全体の地位は下落している。
クロス円ではユーロ、スイス、豪ドル、NZドル、カナダドルに対して2000年から比べれば円安だ。
ポンドと南アランドはやや円高だが金利収入で賄える範囲である。
同じように衰退していく米ドルに円は強いが最下位争いをしているようなものでトップ集団ははるか上を走っている。
輸出業者は米ドル建てが多いだけに打撃だが、投資家は米ドルを選ぶ必要は全くない。
今後も円の全体的な地位は下落していくだろう。
理由は変わらない。
リーマンショックのようなパニック的円買いは急激だが期間は誠に短い。
7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
菅首相本日辞任、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、日本物格下げ、米国物格下げ、テロ、外為取引税(トービン税)、人民元が基軸通貨、日中国交断絶、資源国通貨売り介入
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内需拡大−規制緩和−市場開放−小政府−財政均衡−自己責任−公明正大 50―超円高−100―円高−150−普通円−200―円安−250−円安− 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FX湘南社是 「面白く正しく」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取)
8.横浜湘南便り「霧笛」
「鞍馬天狗」で有名な大佛次郎は他に「ドレフュス事件」「ブウランジェ将軍の悲劇」「パリ燃ゆ」など西欧史伝も書いているが、私の好きなものは「霧笛」だ。
居留地の人間模様、あやしげな酒場、異人館の内部、港の光景、チャブ屋の女たち、南京町の情景など開化期の横浜の裏面を描いている。
執筆場所は弊社向かいのホテルニューグランド320号室で「鞍馬天狗の部屋」と呼ばれている。
その小説「霧笛」に由来する仏蘭西料亭「霧笛楼」が元町にある。開店30周年を記念した元町限定「横濱元町ロール」を販売している。
元町で養蜂し採取した蜂蜜を使用、弾力のあるスフレ生地が特徴のロールケーキで、もっちりとした食感のメープルスフレに、甘さ控え目でコクのあるクレームシャンティとカスタードクリームが巻き込まれ、スフレの内側には希少な「元町はちみつ」が絞り込まれている。
ということで昨夕行ったが既に完売していた。
むなしく港から霧笛ならぬ「汽笛」が聞こえてきた。
「遅いんだよ」と言っているようだった。
(写真=霧笛楼)
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